『ガラスの家族』
キャサリン・パターソン著・岡本浜江翻訳・偕成社刊・1200円+税

知人に勧められてキャサリン・パターソンの『ガラスの家族』を読んだ。一般に、里親家庭に題材をとった小説で満足できるのもは少ないが、この本はなかなかいいできだと思った。

表紙裏にはこうある。「幼いときから里親のところを転々としてきた11歳のギリーは、けんかなら5人や6人はへいちゃら、おとなをだしぬくのは朝めしまえという恐るべき女の子だった。そんなギリーが、やっと手に入れたほんとうの家族とは」。

過酷な現実を生き抜くのには、子どもであっても気を許すことはできない。誰にも頼らない、心を開かない、常に打算で生きている。それはけなげなほどだ。実母への思慕。太った里母が近寄ってきても「ふにゃふにゃになんかなっちゃいられない、ほんとうの子どもじゃないんだから」(128P)と身構える。

そんなギリーの変化の物語である。変化は自己成長でもある。物語のなかで登場人物が精神的に成長していく姿を、読書行為を通じて一緒に味わえるのはとても気持ちのいいものだ。(木ノ内)





inserted by FC2 system