『むこう岸』
安田夏菜/著 講談社

 12 歳の春。お父さんが医者で経済的に恵まれた男の子は勉強ができます。めでたく受験難関校に合格しますが、クラスにはもっと勉強のできる子どもたちは多くて、脱落してしまいます。普通の中学校に転校しますが、そこからストーリーが動き出します。クラスで、生活保護を受けている女の子と知り合いになって、カフェ居場所の存在を知ることになります。そこで、不登校の少年に勉強を教えたりします。貧困家庭で自分の未来に絶望していた女の子の立ち直りとともに、男の子もお父さんの言いなりだった生き方から脱して、自分の道を探り始めます。著者は、現代の子どもたちの抱えている問題に寄り添いながら、子どもたちの立ち直りと成長を描いていきます。とくに生活保護周辺の問題については大人にとってもためになる本だと思います。

第22回読書会 参加者の感想
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