『驚きの介護民俗学』 六車由美著 医学書院 2000円+税

いつか社会的養護の民俗学的アプローチをしてみたいものと読んでみた。介護老人の語りに耳を澄ませると意味不明な言葉をつぶやく痴呆の人にも、過去のずしりとする人生が語られたりする。

私は地域社会の活動もしていて、地域は子どもと老人が主役だと思っている。子どもは前世の近くにいて老人は来世の近くにいる。世俗にまみれた世の中の両端にいて、いわば神に最も近い。

上野千鶴子が『当事者主権』で、老人の介護度5は生まれたての赤ちゃんも同じだと書いていたのを思い出す。介護保険と同じく養育保険と言うものがあったら、養護度5と言うことになるだろうか。違う分野の本からは多くの学びがある。(木ノ内)
inserted by FC2 system