月例会感想

7月の月例会参加者の感想
   テーマ 「自分史の作り方」
       助言者  平田修三さん 早稲田大学里親研究会

今回は自分の子育ても振り返りながら参加することができました。
自分史を書くということは、自分がこの世に生まれ、生きていくことは
価値のあることなのだ、生きていていいのだと、自分自身を肯定的に考えることに繋がることだと思いました。
経済性や、効率性が優先され、生きていくのがしんどくなっている世の中だからこそ、里子さんだけでなく、子供も大人も、自身を否定的に考えてしまう時には特に、試みてみるといいかなと思いました。
養育中の里親さんのお話、大変感銘を受けました。特に里親さんが養育している子どもの書いたものや絵、文章(日記、手紙など)をすべて保存されていることは、これを通して子どもと里親さんご夫婦との心の交流と、子どもの成長の跡(その中で特に、施設時代に受けたトラウマからの解放の過程)を客観的に(といっても、もちろん子ども側から見たものという限界はありますが)フォローできるという意味で、素晴らしいことだと思います。子ども自身に何かを書いてもらうことがどんなに意味のあることかが分かりますし、このご体験は、子どもの養育一般に、里親関係だけでなく実親子関係においても、大いに活用される必要があろうと思いました。
とても有意義な研修を受けることができたと思います。
先生の、発言者のお話しを聞いて受け入れてくださる温かさと分かりやすいお話に、皆さんは自由にお話がしやすかったのではないかと思います。先生の研究なさってきている実績をお話くださり、そのお話しぶりも具体的でわかりやすかったです。
自分の存在を確認したいというのは誰もが思うことでしょうが、自分の過去を振り返るということ、これを表現することはなかなかできないことだろうと思います。まず自分で自分を受け入れる心がないと表面には出せないだろうし、表現できることは自分の存在を感じる第一歩という気持ちにもなるのではないかと感じました。しかし、過去を振り返ることは痛みを伴うことでもあり、一度話ができたとしても表現できたとしてもそれで終わりではないと先生からのお話もあり、心の傷の深さを感じました。
自分史については結論が出ないで終わってしまった感じがしましたが、意見交換が以前より活発にできて楽しかったです。自分史については出版して反響がくるのも魅力的ですが、本人の振り返りの材料として小さい頃の記録を残して置くことが特に重要だという気がしました。
施設で育つと、子どもの個人の思い出としての写真が少なかったり、職員が退職や異動でいなくなったりで子どもが大きくなるにつれて思い出話ができないのがやるせない気持ちになりますね。やっぱり子どもの養育は里親家庭が合ってるね。と再認識。初めて研修会に参加させていただき、とても有意義な時間を過ごすことができました。
ひきこもり・ニートの若者を持つ親御さんとの悩み、お話など内容がかなり似ていたので「今の日本の若者問題はみんな同じなんだな」と感じました。ただ、里子さんの場合は両親からの愛情不足な点と、ひきこもり・ニートの若者は両親からの愛情過多な点が多いので、その部分の対応の仕方というのは若干変わってくるのかなと思いました。
若干の違いはあるにしろ、今の日本の子供・若者には両親以外の人からの愛情や役立ち感
(必要とされている感覚)が不足している気がします。
近所のおじさん・おばさん・いろんな年代のお兄さん・お姉さんなど、たくさんの人と関わって、「私も誰かの役に立っているんだな」と実感できる環境・機会作りを、私たちの現場でも取り組んでいるところです。今回のお話は、子育ての話としてとても勉強になりました。これから親になっていく若者たちに、ぜひ聞いてほしいしなと思いました。
また都合がつきましたら、ぜひ参加したいと思います。
里親さんの残された子どもの記録の数々に、親のあり方を反省させられました。どのような考えで作文を書かせていたのでしょうね。また、どのような思いで保存したのでしょうか。機会があったら、親(里親)としての思いを聞かせていただきたいと思っています。
猛暑の中での開催だったので、会場にたどりつく前に溶けてしまうような気がしました…。でも、参加して良かったです。この研修会のいいところは、参加者も自由に(しかも、たくさん)発言できることですね。建て前ではない本音を語り合うことで、お互いの心が開いていくし、本当に役に立つ生の情報が得られると実感しました。ただ、人はいったん心のスイッチが入ると、話がとめどなく出てきて場を独占しがちなので、司会の方は遠慮なく采配の手腕をふるってください。そのほうが、もっと議論が活発化すると思います。
大変勉強になりました。すばらしい研修会だと思いました。
今回のテーマは、里子自身の葛藤や悩み、トラウマの解放・表現としての「自分史作り」ということでしたが、
 @表現には痛みを伴うが、里子が前に向かって生きていくためには必要な行為であること
 A本の出版ということ以外にも、表現の方法はいろいろあり得るだろうということ (「ライフストーリーワーク」はその方法の一つです)
 Bそうした里子のために、親は愛情を伝え、里子を支えていくことができるということ
 そのようなことを再確認できました。
早稲田大学里親研究会は、「ライフストーリーワーク」というキーワードで上記のようなことに取り組んでおり、インタビューをしたり研究を進めると同時に、里子さんや里親さんにとって役に立つことを発信していきたいと思っています。  早稲田大学里親研究会 平田修三さんより

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